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モチベ低い大学院生でも院進学で得られたもの

公開日: : 日記

この記事の所要時間:約5分1秒

つい今月の頭に修士論文を提出して、長いプレッシャーから解放されました。

思えばこの2年間、研究へのやる気は平均して30%ぐらいだった。研究テーマも、先輩からの引き継ぎのテーマを3つぐらいまたいで、自分のテーマに情熱を持たないままここまで来てしまった。画像処理の研究をしていたというのにエロ画像一枚も処理にかけたことがないモグリの研究者である。

去年の3月頃に学校を辞めようか悩んでいて、その時には「今しかできないことだし、もともと好きで始めたことだから最後までやってみよう」と思ってその後も大学院でやっていくことを決めた。決めたはいいがそこまで明確な目的を目指さず、結果30%のやる気で修士論文を提出するところまでいった。

もちろん、寄り道でとある企業で働いてみてITエンジニアとしてのキャリアを発見し、今後もその技術を生業にしていく覚悟ができたのは非常にいいことだったので、全体として後悔はしていない。急いで学部で就活してノースキルのままクソつまらない会社に行くよりも、今のようにそこそこの技術がある状態で面白いところに飛び込んでいくほうがよっぽどよいし、それは修士に行かなければ結果として実現しなかった。

この少ないやる気で研究に取り組んだこの2年間を整理するために、
そこで自分が得られたものを何個か挙げてみた。

英語の読み書き能力

当然論文は英語のものを読むので、英語力はつきます。これが割合としては結構大きい。

国際学会に行くと自分の英語の出来なさに焦り、その日のうちにMacとiPhoneとiPadの言語設定を全て英語に変更した。これは今でもずっと言語設定はそのままで、初めてから1年半ぐらいたったけど英語を読むことにはもうほとんど抵抗はない。いろんな技術に関する英語のドキュメントやチュートリアルもほぼほぼ読めるようになった。

アカデミアとはどういうものかがわかる

学問の世界というのがどういうものかの雰囲気がだいたいつかめるようになった。良い結果が出てきちんとその理由が示せれば、「やってみたらできた」に理由付けですぐに学会に出せたり論文に書けたりする事が多い。論文の体裁だったり論理の進め方だったり、研究そのもの以外の部分が結構なタスクの割合を占めていた印象。当然最後はアイデアが必要になるわけだが。

よく「最新の研究により・・・という事実が判明した」みたいな内容のブログ記事があるが、そういう記事はまず元論文をたどってみるようになった。しばしばその元論文が発見できないこともあって、記事の信憑性を客観的に疑うことができるようになった。

学校教育を客観的に見つめられる

義務教育からかなり遠いところまできた。高校は義務教育ではないとはいえ大部分の人間が通うものであったし、大学へ行くことも全く特別ではない。大学院進学からは、もう周りに流されるわけにはいかない。

修士に行くには当然学部を出ているので、修士を辞めてもそこまで痛くない。

まわりの環境やチームの大切さ・一人の無力さ

これは主に研究とインターンの対比で感じたこと。

環境に関して、僕の研究室は研究をするにあたってあまり自分の望ましい環境ではなかった。周りに多いのは、修士に進学したのはただ学歴に箔をつけるというだけで、全く研究に対する志や誇りというものを持たない人。やめるかやめないかを悩んでやめずに研究を続ける決断をした自分には、こういう人たちが多い環境は居心地が悪かった。最終的にはそういう人たちといるのが本当に嫌になって、ほとんど学校に行かなくなった。

所属していた研究室の研究テーマはかなり一人でやる部分が多く、ふたり以上で協力する機会がほとんどなかった。論文提出の前に先輩や先生に見せるぐらい。少なくとも自分の場合はそうだった。上の理由で自宅作業が多かったのだが、集中が全然続かなくて辛い。なかなか一日中自宅にこもっていて集中できるということはあまりない。外に出たら出たで、別のプログラミングなどの方向に興味が飛んでいき、読書したくなり、その日はもう研究のモチベーションはない。そこまで強いモチベーションはなかったので、欲望が多いとすぐに何もできなくなってしまった。

一人というのも非常に寂しい。忙しくなればなるほど人と話す機会が減り、どんどん心が荒んでいった。時間の経過がとても早い。

対してインターンではエンジニアのチームが存在し、そこで得意なことを任されて、苦手なことは得意な人に任せ、チームとして結果を出す。チームや会社に貢献できることは本当に心の栄養になるし、それが次の仕事にもつながる。

まとめ

こう思い返してみると、1年前に大学院をやめるという選択も全然間違っていなかったんだなと感じた。いまは春休みで時間のあるときなので、4月以降に向けてひたすら詰め込みをかけることにする。

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